閉店 廣來 (こうらい)
ザ・ビッグ五日市店の向かいにある中華料理店。内装は如何にも中華という感じだが、派手さはなくシックにまとめられている。席は変則で、テーブル6脚の約26席。あと、個室があり、6席×2、10席×1。駐車場は店の前にあり、ちょっと止めにくく、出にくい。
ランチのセットやコースは12:00-14:00のみ。セットメニューの基本は前菜、スープ、メインの料理、ライス、漬け物、デザートといった内容。見た目よりも量が多く、普通の男性であれば充分満足できる。ランチコースは、牛肉とピーマンの炒め、エビのチリソース、米茄子と海老のXO醤炒めの中から一つ選べる。
ちなみに、「タンタンメン」は「担々麺」ではなく「坦々麺」と表記されていた。なので、ここでもその表記を踏襲している。この表記にどのような違いがあるのかは不明。
店に入ると、ウェイトレスの女性が威勢良く迎えてくれる。なんだか好印象。前は、突っ慳貪なイメージだったのにおかしいなぁ。これは店が変わっただけじゃなく、私の感じ方が変わった影響もありそう。
メニューを見ると、なんだか種類が増えてる。ついでに値段も上がっている。と言っても数十円程度なので問題なし。「蝦のチリソース」にかなり心引かれたけれど、今日は麻婆豆腐セットを注文。
しばらくして、スープと前菜の登場。スープはなんとも優しい味。ちまたの中華料理店独特のやたらに旨味の強いスープとは一線を引いている。具はちょっと小さめだけれど蛤だろうか。前菜は棒々鶏。この時点で満足度高し。
そうして、麻婆豆腐の登場。ライスとザーサイも一緒に運ばれてきた。その麻婆豆腐は、山椒の辛味よりも唐辛子の辛味のほうが強め。特にひとかけらだけ入っていた青唐辛子がうんまい。豆腐はかなり細かく砕かれていて、餡と丁寧に絡まっている。コクよりもキレの麻婆といったイメージ。
以前は、辛さ強めの麻婆豆腐を出していたけれど、この麻婆豆腐はずいぶんまろやかなような気がする。お願いすれば、以前のように辛い麻婆豆腐も作って貰えるのかな。次回は、それをお願いしたいな。でも、やっぱり蝦のチリソースが気になるな。(2007.3)
で、早速パクッと一口。かなり濃厚。もう少し辛くても良いけれど、このバランスはかなり好み。くずれた豆腐が麻婆の餡に絡まって、サラリとしているけれど、所々にシャキッとした食感。この食感はネギかな。いや、ニンニクの芽の様な気もする。ともかく、美味しさ満点。初夏の陽気に汗をかきながらパクパクと食べ尽くした。次回も辛目の麻婆だな。(2008.5)
さっそく、担々麺を食べてみる。濃厚なスープから食欲をそそる香り。そのスープを飲んでみると、やはり濃厚な旨味と辛み。そうして麺を啜ると、細身のストレート麺がほどよい歯ごたえ。こりゃ旨いよ。昔食べたタンメンとは、麺の印象も全然違う。私の記憶違いかな。
具は肉そぼろを使っておらず、牛肉がゴロンゴロンと入っている。これは嬉しいな。肉そぼろって底に沈んで食べにくいもんね。その他の具は、チンゲンサイ、タケノコ、白髪ネギ。チンゲンサイは蕾の部分が入っていて、その食感が美味しい。食べていて、何とも楽しい担々麺だった。(2009.5)
で、今日は八宝菜セットを注文。ここの八宝菜をランチで食べるのは初めてかも。野菜がゴロリンと入っていてシャキシャキ、エビもぷりぷり。餡は粘度が高く、これはご飯に良く合うなぁ。これに豚の蒸し焼き、スープ、漬け物、杏仁豆腐が付いてきた。
帰り際に厨房を覗くと、主人が会釈をしてくれた。なかなか顔を合わせる機会がないんだよね。やっぱり淋しいな、また来よう。(2012.9)
香り立つスープをまず一口。そうして麺を掘り起こしてズルッと啜る。安心な旨さ。その後は、一気に食べ尽くす。でも、時折思い出したように具をご飯に乗せてパクリ。この牛肉がご飯にも合うんですよ。それなのに、セットには唐揚げまで付いてきているというこの罪深さ。
更に罪深いのは、このスープ。麺を食べ尽くしたあと、丼の底にはたっぷりの具がまだ残っている。ここにご飯を投入して食べると、これがまた何とも幸せ。胃袋がもう一つあれば、ご飯3杯は食べたいところ。本当に罪深い。(2012.11)
で、飲茶セット。しばらくして前菜の三種盛りが登場。キッシュ、棒々鶏、海老を甘辛く炊いたの。続いて点心3段。小籠包、海老焼売、蒸し餃子、おこわ。間、髪を入れず、揚げ春巻き、揚げ海老。うわっ、ビールが欲しいよ。などと我に返ったところで、少し落ち着いて来る。温かいものが立て続けに出てくるので、最初の総菜は後回し。それは店主も計算済みかな。
その後は自分のペースで食べ続ける。で、ほどなくしてミニ湯麺の登場。醤油ベースの優しいスープ。美味いなぁ。このスープが飲めなくなるのは惜しい。などと、名残惜しく飲んでいたら、あっという間にからっぽ。ミニは少なすぎるな。いや、飲茶セット全体としてはカナリのボリュームなんだけどね。実際、このあと杏仁豆腐と、フルーツが出てきたしね。そうそう。飲茶セットの杏仁豆腐は、生クリーム杏仁豆腐でした。(2012.12)
コースの内容は、前菜4種が棒々鶏、海老、カルパッチョ、長芋とサワラのたたき。髪菜のスープ。北京ダック。海鮮八宝菜。豚肉と大根豆腐の甘酢餡かけサンザシ風味。家常豆腐。蟹肉とチャーシューのチャーハン、シャーベット、杏仁豆腐、杏の蜜漬け。
髪菜のスープは茶碗蒸しのようにトロリンぷるん。これに髪菜とジュンサイが入った餡が絡まって、初めて食べることがちょっと悔しかった。これはもっと何度も食べておきたかったな。
それと、ここの八宝菜はやっぱり美味しい。ただ、この八宝菜入りの湯麺があることを初めて教えて貰い、まだまだこの店のことを何も知らなかったことを痛感。
家常豆腐はそれほど辛くはないが、この餡は美味すぎ。それにしても、このコースはお酒がなくても楽しめるように出来ているような気がする。特に、これは絶対にご飯に合う。ビール飲んでなかったら間違いなくご飯を追加注文していた。
で、最後に出てきたチャーハンがこれまた絶品。まるでリゾットのようなチャーハン。強い火力でパラリと焼き上げるチャーハンとは全くの逆方向。そっか、こんなチャーハンもあったんだ。などと、本当に閉店が惜しくなるコース料理でした。長い間ありがとうございます。(2012.12)