楽々園の住宅街のど真ん中にあるお好み焼き屋。店はちょっと狭く、テーブル4席×1、2席×2。鉄板は詰めて3席。しかし、雰囲気が良い感じにまとまったお店だ。
鉄板は、お好みを焼く鉄板と、食べる専用鉄板に分かれている。お好み焼きは、生地に魚粉を振りかけ、そこに鉄板で少し炒めほぐした麺を載せる。その後、キャベツ、もやし、きざみネギ、天かす、肉と重ねてゆき、さいごにつなぎの生地を垂らす。キャベツはザクッと少し大きめ。
そのまま少し焼いて、ひっくり返し、今度は重しを乗せてじっくりと焼く。最後に、卵を鉄板にのばすとき、生のキャベツを少し卵に乗せてから、お好み焼き本体をかぶせる。食べていて、半生のキャベツの食感にシャクっと当たるのが嬉しい。そばはソフト麺。ソースはオリジナルブレンドとのこと。おそらくオタフクソースベース。お好み焼きの上には、ガーリックパウダー、青のりが振りかけられる。
話によると、アルパークの食料品売り場にお好み焼きを卸しているそうだ。なかなか洒落た包装を使用している。ちょっとしたおみやげにちょうど良い。また、店で食べる客よりは、持ち帰りや配達の客が多い。
店の看板は、包装紙とおなじ絵柄で、その先代が自分で描いたもの。その他にも店内にはいろんな絵が飾られている。これらも全部、ご自分で描かれたもの。いくつかの賞もとったとのこと。お好みが焼き上がるまで、じっくり鑑賞してみるのも良い。
お好み焼きの全国発送もあり。瞬間冷凍で、焼きたての美味しさそのままとのこと。
ノンビリと昼下がりに浸っていると、いつの間にかお好み焼きが焼き上がっている。いつもは慌ただしいお好み焼きが、今日はいくぶんかノンビリしている。ネギ、カツオブシ、青ノリがかかり、本日の仔ぐま焼きの完成。早速サクッと食べてみると、相変わらず味の効いたイカ天。全体的にサクッと仕上がっているのが良い感じ。更に良いのが卵の風味。しっかり焼いた卵は、風味豊かで食欲をそそる。半熟だとこの風味は出ない。これだから、お好み焼きの卵はしっかり焼いた方が好きなんだよなぁ。
もう何年も先代の小母ちゃんの焼くお好み焼きを食べてないけれど、今日のお好み焼きはカナリ小母ちゃんのに近く感じられた。これでイカ天のサックリ具合が強まるといいのだけどなぁ。でも、いったいどうやったらサックリになるのだろう。不思議だな。と、思っていると、その小母ちゃんがふらっとお店に現れて、どこかに消えていった。お元気そうで何よりです。(2007.10)
丁度一段落したところだったので、私のお好み焼きも直ぐに焼いてもらえた。久しぶりに食べて思い出したのだけれど、ここのお好み焼きは天かすやイカ天への火の通り具合が大好きだったんだよね。あのサクッとした食感。でも、最近、それが変わったような気がする。思い出してみると、それは鉄板が変わった頃からかもしれない。やっぱり、こういうのって影響があるものなのかなぁ。(2010.11)
仔ぐま焼きは、削り節、刻みネギ、目玉焼き、青のりが乗っていて、ゴチャっとしたルックス。相変わらずの、水分が少なめのサックリした食感。ただ、小母ちゃんが焼いていた頃とは、完全に異なったお好み焼きになってきた気がするな。きっと、お好み焼きが変わってきたのと同様に、外の風景もちょっとずつ変わってきているんだろうな。ボケッとしていると気がつかないけれど。(2013.10)