閉店  八幡亭 (やはたてい) 

    八幡川の上流にある料理屋。古い民家をそのまま使用していて、昔ながらの家庭的な雰囲気。とある農家の本家が、ハレの日の祝いで、ひっきりなしに訪れる客に食事をもてなしているといった感じ。

    玄関から店にはいると、いきなり土間にテーブルがふたつ置いてある。ちょっとした違和感がある。そこから居間にあがると、20畳ほどの部屋に座敷がセッティングされている。テーブルは4席×2。座敷は6席×2、4席×3。座敷はのびのびとして、落ち着いている。さらには、座敷から庭を眺めることもできる。こぢんまりとした純日本風の庭。本当に民家そのままって感じだ。

    席に着くと、まず温かいお茶が出される。このお茶は、不思議な味がするが、すいすいと飲めて美味しい。茶葉や薬草などを13種類煎じた物だと教えて貰った。日替わり定食の内容を尋ねたら、にこやかに説明してくれた。とっても感じがよい。日替わり定食を注文した場合は、ほとんど待たされることはない。その内容はメインのおかずに、小鉢が2品、香物、デザート。ご飯の量は、女性と男性で分けている。ご飯のお代わりは無料。日によっては、麦ご飯も選べるようだ。

    お昼は人気があるようで、座敷はほとんど埋まっていることが多い。客層は主婦が圧倒的に多い。夜は居酒屋にもなるようで、酒に合うおかずが用意されている。鍋物も何種類かあるようだ。日本酒は人気のある良い物ばかりを厳選して、数種類置いている。あと、ぜんざいやおしるこなどの甘味類も充実している。

    広島市佐伯区五日市町大字下河内42
    082-928-0540
    開店時間:11:30-21:00
    定休日:火曜日
    ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、開店時間や定休日が変更されている可能性があります。
    駐車場:あり


    もう一言
    とんでもなく暑い一日。それなのに、熱いお茶がとっても美味しく感じた。食後にもう一杯飲んだが、汗がだくだくと出てきて止まらなくなった。この日は、日替わり定食を食べた。内容は鶏足、切り干し大根、もやしサラダ、香物3種、ごはん、みそ汁、コーヒーゼリー。鶏足はハーブと味噌のソースがかかっていた。箸でも簡単にほぐせるぐらいに煮込んである。でも、煮込みすぎず、ポロポロまでにはなっていなかった。私としては、ポロポロになったヤツも好きなんだけど。香の物はツボ漬け、ウリ、キュウリ。ウリはとっても酸味が強かった。もやしサラダはマヨネーズ風味。そういえば、みそ汁の具も、もやしだった。今日はもやしが安かったのだろうか。(2003.9)

    時間に余裕があったので、遠く八幡亭に出かけてみた。今日の日替わり定食は鍋物。それだと食べるのに時間がかかりそうだったので、刺身定食を注文。マグロの赤身、トリ貝、イカ刺し、モヤシと牛肉の炒め物、大根とちくわの煮物、うの花の炒り煮、大根漬け、吸い物、麦ご飯、ミカン。刺身はイマイチだったけど、他の総菜はどれも美味しく、ご飯がすすんだ。吸い物は鶏ダシで、味付けは薄目。大根漬けは葉っぱも出てきた、自家漬けのようだった。それと、ここのお茶はやっぱり好きだ。桜茶の香りが強く、春の気分を味わえた。あと、日替わり定食が100円値上がりしていた。(2004.1)

    今日は美味しいとの噂のタンシチュー定食を食べてみた。タンがじっくり煮込まれていて、ほろほろと柔らかい。その酸味とコクが、私をワインの気分へと導いていった。ご飯じゃなくて、ワインが飲みたい。車で来たことをほとほと後悔してしまった。(2004.3)

    幸せなことに、知人が麦とろ御膳をご馳走してくれた。初めての麦とろ御膳。いったいどんな御膳が出てくるのかと期待するが、他の定食に比べて出てくるのが遅い。うーん、やっぱりとろろを下ろすのに時間がかかるのでしょうね。

    そうしてやっと登場した御膳は、ボリュームタップリ。麦とろごはん、切り干し大根、カレースープ、たこの刺身、卵焼き、漬け物、みそ汁。これらが当然の如くお膳に乗せられて出てきた。

    麦とろご飯は、すでに麦飯にとろろがかけてある。ご飯の量に対して大量のとろろ。しかも、すでに麦飯と丹念に混ぜ合わせてある。これを、ずるりんと啜ると、おもわず頬が緩む美味しさ。そうそう、私はとろろがタップリかかっているが大好きなんだよね。卵かけご飯もそうだけど、とにかく飲み込むように食べるのが大好き。でも、逆にとろろが多すぎるのを嫌がる人もいるようなので、万人向けではないかな。

    御膳なだけあって、麦とろご飯以外の品数も豊富だし、大満足な逸品。しかも、ひとのおごりとあれば、その幸福度は無限大であった。(2005.12)