容赦のない炎天下の中、日陰を選びながら団地へ向かう道を歩く。あまりに暑いせいなのか、道すがらは深夜の様に人通りが少ない。しかし、道路に面した家々ではクーラーの室外機がフル回転しているし、絶えず蝉の鳴き声も聞こえてきて、とってもうるさい。そんな中、ポツンと佇む一軒の中華そば屋を発見。なんだかオアシスのように見えてしまう。早速、暖簾をくぐると先客がふたりいた。厨房の奥に掲げられたメニューを見ると、お腹に溜まりそうな物は中華そばぐらい。単品と定食があったけど、定食を食べるほどの食欲はなかったので、単品を注文。ほとんど待たされることなく、中華そばが登場。えらく早いなと思ったら、麺はソフト麺を利用しているようだ。なるほどね。そうやって、びっくりするほどシンプルな中華そばをすすりながら、帰りの炎天下のコトを思い出し、気が重くなってしまった。帰りは、中華そばを食べた分、もっと暑いだろうなぁ。(2004.7)