閉店 里の家
佐方の隠れた場所にあるラーメン屋。店舗は普通の住宅の一部を改装している。店内はこぢんまりとしていて、カウンターが5席。あがりの座敷は、ほとんど居間のような状態で、5人ほど座れる。
ラーメンは、豚骨ベースの細麺。油がほとんど無いが濃厚なスープで、旨味がかなり抑えられている。具はチャーシュ、玉子半分、きざみネギ、キクラゲ、ニンニク。チャーシューは脂が全くなく、赤身のチャーシューでシッカリとした食感。玉子は煮玉子ではなく、普通の茹で玉子。ニンニクは細かく刻んで炒めてあり、粉末状になっている。
お店に入ると、店主の小母さんは少し驚いた表情をしている。そりゃそうでしょう。この立地条件で、フリの客が来るコトなんて滅多なコトじゃないはず。でも、小母さんも直ぐに気を取り直したようで、とにかくラーメンを注文。さぁ、どんなラーメンなのだろう。店内に入っても、あまりラーメンの香りがしないのが気になる。
注文後、早速ラーメンに取りかかる。様子を見ていると、スープはちゃんと豚骨から取っている様子。すみません、あなどってました。軽く見てました。私を許してください。ってな気分。
どんぶりに元ダレを張り、そこにそのスープを注いでいく。その際に、カスが入らないよう、網をどんぶりの上に持ち、そこから注ぐ。なんとなく、九州っぽいイメージ。そうして茹であがった麺をどんぶりに投入して、具を配置して完成。
早速そのスープを飲んでみると、なんとも濃厚。しかし旨味が抑えられている。きっと脂がほとんど無いからだろうな。旨味の強いラーメンに慣れていると、この味はきつい。でも、何やらクセになりそうな予感。これは何回か食べないと、本当の美味しさは分からないような気がする。
麺は細め。チャーシューは赤身で、シッカリと締まっている。玉子は普通のゆで卵のようだし、なんともストイックな印象。そうして、上から振りかけられているのはニンニク。細かく刻んで炒めてあるので、粉末状になっている。これはカウンターにも備え付けられていて、自分の好みで追加できる。でも、デフォルトがちょうど良い風合いなので、追加せずに完食。ラーメンの素性は、おそらく九州の方だと思う。周りの情報では、熊本ラーメンではないかとの話もあるが、未確認。(2008.5)