閉店 にわか
廿日市商店街の南端にあるお好み焼き屋。そうとう年季の入った店舗は、初めての客が入るにはかなりの勇気が必要。店内はこぢんまりとしていて、鉄板のみ5席と手狭。でも、店で食べる客よりも、近所の持ち帰り客の方が多い様子。店はご夫婦らしきふたりで切り盛りしている。
お好み焼きは信じられないほどの格安。何十年も値上げしていないのかと思われる値段。焼き方は、生地に魚粉を振りかけて、キャベツ、ネギ、天かす、もやし、豚肉を乗せてひっくり返し、ダシ汁を差しておく。麺はザルにあけて水にさらした後鉄板に出し、調味料、ダシ汁、ケチャップで炒めておく。このケチャップは粘度が高く、普通のチューブ品ではない様子。本体は、しっかりと焼いた後、ぺちゃんこに押し焼きし、麺と合体。すぐに玉子をかち割り、黄身を軽く潰しただけで本体を乗せてしっかり焼いたあとひっくり返す。仕上げには、ソース、コショウタップリ、青のりが降りかかる。そばはソフト麺、ソースはオタフク。
でも、なかなか訪れる機会はなかった。そのシチュエーションが独特で、入る勇気がなかったのだ。でも、ある日、お好み焼きを食べたいと、廿日市の商店街をふらふらしていたら、その暖簾が目に入った。もう、これは入ってみるしかない。
店に入ると、外見どおりの内装。こぢんまりとした店内には鉄板がデンと鎮座し、ただそれだけ。とりあえず、お好み焼きの注文をして、店内をぐるぐると見渡してみる。天井や壁は長年の油が染みついているのか、黒ずんでいる。その天井に大きな換気扇が回転している。他にも壁の天井際に三つの換気扇。換気扇だらけだなぁ。
鉄板もかなり年季の入ったもので、肘掛け部分と鉄板の間に大きな段差が付いている。最近の鉄板はここがフラットな物が多いよね。段差があった方が、食べやすいのになぁ。更に肘掛け部分は淡いピンク色。そういえば、子供の頃、この色づかいの鉄板が流行っていたかも。
そうこうしている内に、お好み焼きが焼き上がった。よく押さえてあるせいか、サクッとよく焼けた印象。全体に良く味が馴染んでていて、なんだか不思議に懐かしいお好み焼き。とにかく安いし、こういう店がまだ残っているのがとっても嬉しい。(2007.10)
ちなみに、今日も肉玉うどんのイカ天入りを注文。相変わらずペチャンコに焼き上げるけれど、これがコンガリと美味しい。そうそう、今回はメニューにチーズを発見。これって以前からあったけ。ともかく、トッピング全部入れでも600円なのだから安いよね。(2011.11)