閉店  花みづき (はなみづき) 

    宮島街道沿いの、広電佐伯区役所前近くにある居酒屋。パッと見た目、小さな店のようだけれど、店内は広く、テーブルが4席×2。上がり席は掘りになっていて、4席×6、6席×1。

    コースメニューが用意されているけれど、アラカルトも沢山用意されている。定番メニュー以外にも、お勧めの料理が黒板に書き込まれている。酒類は、やたら沢山用意しておらず、良い物を確実に揃えている。

    広島市佐伯区海老園2-5-32
    082-921-6511
    開店時間:11:30-14:30 18:00-23:30
    定休日:日曜日
    ※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、開店時間や定休日が変更されている可能性があります。
    駐車場:あり


    もう一言
    とある夜、思い立って花みづきへと向かってみる。近くまで行くと、扉に張り紙がしてあるのが見えた。その白い紙が、臨時休業か貸し切りの雰囲気をバッチリと醸し出している。そうなんだよね。私はこういう星の下に生まれたんだよね。と、諦めムードでとりあえず店の前まで行くと、単にゴールデンウィークのお休みが書かれていただけだった。引き返さなくて良かった。

    で、張り紙を一瞥して、扉を開ける。すると、スッと女性が現れて、スススッと奥に通してくれた。上がり席に腰を落ち着けて、とりあえずビールを注文。サッとメニューを眺めて、刺身の盛り合わせを注文。そうしてやって来たビールをゴクリと飲み干す。落ち着くな。

    落ち着いたところで、店内を見渡す。店内は意外に広い。フラットな感じの上がり席は、貸し切れば大人数の宴会が出来そうな雰囲気。木材張りの床が居心地良い。その上がり席の向こうに黒板が置かれていたので、そこからお勧めのメニュー選択。タケノコとフキの木の芽和え、稚鮎の天ぷら。しばらくして出てきた刺身は、鯛、鰹のたたき、アジ。いや、ほんとにアジなのかな。たぶん、アジだと思う。

    ビールを飲んでいると、タケノコとフキの木の芽和えが出てきた。これは優しく、ホッとする旨さ。日本酒が飲みたくなったので、久平次を注文。直ぐにグラスと一升瓶をもって来てくれる。注文から間、髪で来るのは嬉しいな。と、グビッと飲む。タケノコを摘む。そうする内に稚鮎が出てきたので、パクッと一口。苦みが拡がる。また久平次を口に含む。酒飲みとして幸せな瞬間。

    なんだか勢いが付いてきたので、新タマネギの黒焼きを注文。それが焼き上がるまでの間に、日本酒は久平次から獺祭に移り変わる。私の好みは、間違いなく獺祭のほう。こっちの方が食間酒としては丁度良い。どこがどう違うのかは、よく分からないのだけどね。

    そうこうする内に、新たまねぎの登場。もちろん、真っ黒。その真っ黒に焼けた皮にこびりついた身が美味しい。とろんとした甘み。そこにまた獺祭をグビリ。グビリといきつつ、鶏の柚子胡椒焼きと香茸むすびを注文。

    真っ黒の新たまねぎも、中心部は少し生焼け。この生焼けの部分がまた酒に合う。気がつけば三杯目は八海山を頼んでいた。よくは覚えてないけれど、飲み残したお酒は雨後の月と亀齢だったかな。

    そうして、最後は香茸を肴に八海山を飲み干し、お愛想。今日の幸せは、木の芽和え、新たまねぎ、獺祭。うん、春を堪能したね。この店の楽しみ方は、これで良いのかな。きっと良いのだろうな。(2008.5)