閉店 うろん屋 (うろんや)
石内バイパス沿いのうどん屋。もともとマッハ車検があった場所で、経営は同じ。その車検というか中古車店の名残が多く残り、ちょっと毛色の変わったうどん屋になっている。
店舗は広く約40席ほど。広い店内をテントで囲み、冬場は巨大な暖房機をフル稼働させている。このテントを外せば風の吹き込む屋外型の店舗に早変わりする。厨房は事務所を改装してあり、こちらはキチンと屋内に設置されている。
うどんはセルフ方式。むすびや天ぷらを取り、厨房にうどんを告げて、それを受け取った後レジで精算。そうして外の席まで出て行って、そこで食べる。もちろん、食器の返却もセルフになっている。
ちなみに、店内の案内によると、「うろん」の語源は「はだしのゲン」とのこと。博多のうろんとは関係がないようだけれど、柔らかく優しいうどんは、博多のうろんに通じるものがある。
駐車場に車を止めて、店内に入る。すると、そこは店内ではなかった。更に奥へと進み、仮設のような扉を開けると、そこは店内のような店内でないような不思議な空間。広い屋外のスペースにたっぷりと席を設け、そこをテントで囲って店内風にしているだけ。でも、ガンガンとヒーターを炊いているので、かなり暖かい。
で、そのスペースは無視して、調理スペースへと入り込む。こちらはちゃんと屋内になっている。そこでうどんを注文して、受け取って、支払いをして、先ほどの仮設スペースでうどんを食べる。こんな不思議なうどん屋は、あの恐るべき讃岐地方でも1件ぐらいしかなさそうな気がする。って、1件でもあるんかい。
で、うどんを食べながら、瓦版のようなモノを読むと、店の成り立ちが書き記されている。「うろん」って「はだしのゲン」からとったんだ。そういえば、幼児語で、うどんをうろんと言うのは珍しくないよな。
その肝心のうろんは、太めの柔らかい優しいうどん。汁はシッカリした味付けだけれど、強すぎず、うどんによく合っている。なんとなく、博多のうろんを思い出すな。もしくは、呉うどんを太くしたような感じかな。最近は讃岐ブームが激しいので、こういううどんも嬉しいな。
(2009.2)