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舌を噛んだ
 
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舌を噛んだ

 舌を噛んだ。とっても痛い。筆舌に尽くしがたい痛さだ。場所は舌の左側、舌縁のちょうど真ん中あたり。舌先から急激に膨らんでいる箇所なので、他と比べて噛みやすくなっている。おそらく、前歯から数えて6番目の大臼歯で噛んだものと思われる。その歯は奥歯の中でも最大級を誇る肉厚の歯だ。いや、本来は骨厚と表現すべきなのだろう。こんなのに噛まれたのでは、どんなに屈強なヤツでも舌を巻いて逃げてしまうに違いない。

 焼きたてのタコ焼きに舌鼓を打っていたら、とんでもないコトになってしまった。4個目に入っていたタコがゴムのように堅くなければ、私だってがむしゃらに咀嚼行為を繰り返さなかっただろう。その前に食べた3個には、比較的柔らかいタコが入っていたので、私は油断させられていたとも言える。タコ焼き屋の兄ちゃんは、新鮮なタコを使っていると言っていたはずだ。しかし、このタコの堅さは、どう考えても冷凍物以外の何者でもない。タコ焼きは、その舌の根の乾かぬうちに正体を露呈し、私をこんな目に合わせやがったのだ。思わず舌が鳴る。

 とにかく悔しい。あのタコさえ堅くなければ、舌を噛んでしまった瞬間のあの切なさは体験せずにすんだはずだ。舌から血があふれ出るイメージを想像して、気が遠くなることもなかっただろう。朝、歯磨きをするときに、染みるのではないかと不安に陥ることもなかったはずなのだ。すべてはタコが悪いのだ。

 でも、そうやってタコに八つ当たりしてばかりもいられない。どんなにタコを責めたって、舌を噛んだ事実は覆らない。そもそも、タコ焼き屋の兄ちゃんの舌先三寸に乗せられた方が悪いのだ。ここは、過去の禍根は捨てて、前向きな人生を進んだほうが得策であろう。では、舌を噛んでしまった人間は、その次の行為として何を選択すべきなのだろうか。やはり、薬を塗るべきなのだろう。でも、何の薬を塗ればよいのかわからない。常套では傷薬なのだろうが、なんだか変な味がしそうでイヤだな。

 私は何を考えているのだろうか。初めて舌を噛んだ幼子でもなかろうに、舌を噛んだときの対処法ぐらい分かっているはずだ。何もせず放っておけばよいのだ。もし、もう少し気の利いた人間なら、消毒をするだろう。口に入れても平気な消毒薬といえば、言わずとしれたアルコールである。ビールみたいな低アルコールはダメ。やはり消毒を目的とするならば、アルコール度数は40度を超えていた方がよいだろう。私なら、バーボンとかラムなどがいいな。それをストレートで煽れば舌の痛みなんてアっという間に消え去ってしまう。そんなコトを繰り返していれば、やがて舌がもつれてきて、泥酔の海へと落ちて行くだろう。そして、翌朝はうずく舌と二日酔いの頭、両方を抱えて悩むことになるのである。

初筆:2001年07月22日
加筆:2004年03月7日

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