このうどん屋は、いつからこの場所に店を構えているのだろうか。私の物心が付く前のような気もするし、ほんの10年前のような気もする。気が付けば、このうどん屋はコイン通りの北の端に暖簾を掲げていた。ただ一つ言えることは「水戸黄門」のテレビ放映が開始される前は、存在していなかったと言うことぐらいだろう。たぶん。

そんな光国の暖簾を初めて潜ってみた。店の中では常連客らしきオバサン達が姦しくおしゃべりをしている。おでん鍋の前では、やはり常連らしきオジサンが黙々とビールを飲んでいる。ビール瓶が４・５本転がっているところを見ると、相当飲んでいるようだ。まだお昼の12時なのに。

テーブル席に座り、メニューを眺めていると。やはり「水戸黄門」を発見。光国うどんを食べてみようかと思ったけど、具が多そうだったので、えび天うどんにしてみた。他にも「助さん」や「格さん」の名前もある。可哀想なことに「弥七」や「八兵衛」の名前はない。「うっかり八兵衛うどん」なんてのがあったら、食べてみたかったな。でも、うっかり茹でるのを忘れていたりしてたらイヤだな。

そんな空想を巡らしていたら、えび天うどんの登場。コロモが堅めのキツネ色したえび天が一つ。なかなか大きい。他にはわかめ、ネギ、かまぼこが入っている。ネギは太ネギだった。だし汁は澄んでいて、ほんのり甘め。食べ飽きない味わい。うどんは非常に脆く、食べていてポロポロと崩れる。でも、フニャフニャと柔らかいわけではなく、コシというか、堅さはほどほど。これは手打ちなのだろうか。お金を出して食べたうどんで、こう言うのは初めてだなぁ。でも、意外に美味しかった。(2004.10)

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寒さも増してきた師走。暖まろうと、カレーうどん雑炊を注文。他に客はいないけれど、うどん雑炊は時間がかかるようで、少し待たされた。出てきたカレーうどん雑炊は熱々の鉄鍋にヒタヒタのカレー雑炊。カレーの風味に自らの食欲が増してゆくのが分かる。

鍋の他に、漬け物と茶碗がひとつ出てきた。鍋から直接食べるのではなく、茶碗に取り出して食べろということ。なので、早速茶碗に盛ってみる。雑炊は玉子で綴じられていて、熱々。うどんの比率はあまり多くないようで、ほとんどが雑炊。具は白菜、タマネギ、ネギ、エノキ。もう全てが熱々で、茶碗に取り出しても全然冷めない。その熱々のところをズルズルと食べてゆくと、もう身体はポッカポカ。いやー、寒い冬はカレーうどん雑炊に限るね。

でも、量が多すぎる。何杯食べても雑炊は減らない。最後は涙を流しつつ完食。もうお腹いっぱい。当分雑炊は要らない。こんなコトなら、うどん雑炊じゃなく、普通の雑炊にすれば良かったと後悔した。(2006.12)

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春の気配が感じられるようになってきた３月のある日、異様にお腹が減って仕方がないので、光国の暖簾をくぐってみた。でも、もう温かくなってきているので、カレーうどん雑炊は熱すぎる。なので、本日はおしとやかに親子丼を注文。でも、胃袋はおしとやかではないらしく、ついついおでんを２つ取ってしまった。大根と厚揚げ。

大根は完全に味が染みて、ほくほくあつあつ。噛みしめるとジンワリとつゆが染み出してくる。厚揚げもその身に沢山のつゆを染み込ませて、これまたうんまい。思わず燗酒を注文してしまいたくなる。でも、今日は車なのでガマンガマン。

そうこうしているうちに、親子丼の登場。早速一口いただくと、醤油の強い辛い味付け。甘さはちょっと弱い。そうしてつゆが少なく、ごはんにはほとんど染みていない。でも、半熟の玉子が御飯に絡まっているし、味付けも濃いので意外に気にならない。具は、鶏肉、タマネギ、ネギ、玉子。玉子はチョイ半熟。あと、漬け物と吸い物が付いてきた。ボリュームは意外に多め。こういう親子丼もアリだなぁ、と思いつつ完食。やっぱり、私はもうちょっと甘めのあるほうが好みかな。

で、全部食べたらお腹いっぱい。やっぱり量が多いんだな。ご飯がかなりの大盛りだもんね。こんなコトなら、おでんを食べなければ良かったと後悔した。(2007.3)