閉店 一休 (いっきゅう)
廿日市駅前にある中華そばの店。店構えには相当年季が入っていて、歴史を感じさせる。店にはいると、真っ赤なカウンターが左右にずらっと並び、おじさん達がそこに座って黙々とラーメンをすすっている。店はおばさん2人できりもりされていて、店内は古いものの小綺麗に整っている。あまり活気はないけど、黙々とラーメンをすするにはちょうど良い環境。席はカウンターのみ13席。
中華そばは豚骨ベースの醤油。他にも色々な調味料やダシが混ざり合わさって複雑な味わい。麺は少し太め、かん水が良く利いたコシのある麺。具はチャーシュー、もやし、ねぎ、メンマ。量は多くもなく、少なくもなく。
ラーメン定食に人気があるようで、内容は中華そば、ライス、ギョーザ、キムチ。特にギョーザは中華そばに並ぶウリの商品のようだ。昼間しか開いてないけど、瓶ビールや日本酒も用意されている。
店はとってもこぢんまりとしていて、カウンターのみ。真っ赤なカウンターが目にしみる。そのカウンターでは、おじさん達が黙々と新聞や雑誌を読みながら、ラーメンをすすっている。みんなラーメン定食を食べているようだ。作業着を着たおっちゃんや、疲れたサラリーマンなど、如何にも場末って感じを醸し出している。私もその列に加わり、中華そばを注文。餃子の存在も気になったのだけど、定食は多そうだったので、単品にしてみた。
注文と同時に、厨房のおばちゃん達が動き始めた。とってもゆっくりとした動作で麺を茹でたり、丼を用意したりしている。その光景を見ていると、この店だけ時間がゆっくりと流れているような感じがしてくる。しばらくして、中華そばの登場。一口スープを啜ると、良くは分からないけど、複雑な味わい。最後まで飲み干せそうなスープ。今度は麺を啜ってみると、口いっぱいに広がる強烈なかん水の匂い。最初の一口がかん水臭くても、食べていく内に和らいでいくものだけど、ここの店は容赦なく最後までかん水臭がしていた。でも、そのぶんコシは強い。麺はちょっと苦手だけど、スープは美味しく、全部のみ干して店を出た。(2004.12)