八幡の団地に向かう坂の途中にある鮨屋。カウンター10席。奥に座敷あり。店内は静かで落ち着いた雰囲気、とっても上品。カウンターに座ると、カウンターの目の前には、小さな水路があり、ここにちょろちょろと涼しげな水が流れてゆく。その上にはカワイイ陶器のお皿が置かれている。この皿の上に、握られた鮨が置かれてゆくわけだ。ガリもこの皿の上にあらかじめ盛られる。
店は、主人と、奥さんらしき方とで営まれている。主人の出で立ちは、普通の定食屋の主人が前掛けをしたような雰囲気。全然、鮨屋の職人らしくなく、アットホームな印象。もしかしたら、それはお昼だけで、夜の雰囲気は違うのかもしれない。
鮨はシンプルなイメージだけれども細工が多彩。基本的には江戸前のようだけど、正統派の江戸前というわけでもなさそう。魚は近海から仕入れるようで、九州(豊後水道?)から仕入れたカレイ、大島沖の太刀魚などがあった。あと、予約をして訪れた方が無難かも。席を確保する意味ではなく、主人にキチンと仕込みをしてもらうための予約。
ひとまず、お任せで握ってもらった。内容は、アナゴ、イカ、カンパチ、太刀魚、トロ、甘エビ、しめ鯖、ウニ。そしてサヨリと玉子を追加してみた。穴子の柔らかい仕込みや、太刀魚の握りが印象的。旨い。でも、最後の二つは、生暖かい鮨飯に変わってしまい、残念な内容になってしまった。元々強めに感じていた酢が、更に強くなり、何を食べているのかわからない。
おそらく、この店で食べるならば、夜が一番。もしくは、昼に食べる場合も、予約をして主人に充分な準備を整えて貰わなければならないと思う。でも、暖かい鮨飯は仕込み云々以前の問題だよなぁ。先客が食べ尽くしてしまったのかな。いったい何貫食べたのだろうか。(2005.3)