焼肉屋。夫婦できりもりされ、店内はこぢんまりとしている。テーブル4席×2、上がりの堀テーブル4席×3。密閉された空間で、焼き肉の煙で少し曇っている。少し、場末の雰囲気を醸し出している。焼き肉は、ガスで焼く。
ウリのメニューはテンシオ焼。牛のバラ肉を塩コショウで下味を付けて、もうひと工夫したもの。タレを付けずに、焼けたらそのまま食べる。お品書きによると、カルビやロースのような味わいとのこと。
テンシオ以外にもカルビ、ホルモン、レバーなどなど揃えてあるが、全て牛肉。豚肉がないのが珍しい。牛肉以外では、魚介類と鶏肉が数品あるだけ。また、注文から品が出てくるまで、非常に時間がかかる。早めの注文を心がけた方が良い。
あと、カウンターには焼酎が並べてある。どうやら、ご主人が吟味して、いいものを揃えているようだ。値段は、大人が3人、ほどほどに飲み食いして1万円強。
まだ早い時間なので、客は他に誰もいない。私は上がりのテーブル席に陣取り、お品書きに目を通して、さっとメニューのおさらいをしてみる。うん、とりあえず、テンシオ焼き3人前とホルモン3人前。あと、野菜焼き、キムチ、キュウリ、生ビール。などと、余裕を持って注文してみる。
しばらくして登場したテンシオ焼きは、前回ほどの感動がない。初めて食べたときは、その珍しさに気に入ったけれど、これはコストパフォーマンスに特化した肉なんだ。そう、給料日前に食べる肉。懐が裕福なときはカルビやロースなど、他の肉を食べた方が良いかも。
ホルモンの分厚さは、相変わらず。ホントに焼けるのかと言わんばかりの分厚さ。小腸の内側のプルンプルンな箇所がこんもりとしている。これをじっくり、ホントにじっくりと焼く。プルンプルンを上向きにして、焦がさないように。で、焼けあがったところをパクリと一口。トロンふにゃふにゃ。美味しいな。
でも、やっぱり、これだけだと足りないので、タン塩とレバ刺しを追加。レバ刺しは、まぁまぁ美味しい。生臭さも気にならないし、身も甘さがある。一方、タン塩は、こりゃうんまい。こんな美味しいタン塩は久々に食べたかも。もっとも、BSE問題以降、タン塩を食べる機会がほとんどなかったので、余りあてにならないけど。
そんなタン塩に心を奪われつつ、カルビの追加注文。とんでもなく厚切りのカルビが登場。でも、この時点で、焼酎三杯目の私は、何を食べているのか分からない状態。なんだか、最近、酒に弱くなったような気がするな。せっかくのカルビだったのだけれど、どんな味だったのかはさっぱり記憶に残っていない。またリベンジしなくては……(2006.3)