長期休店中(閉店したのかも) ゆっか
広島工業大学の目の前にあるお好み焼き屋。県外の学生を意識しているのか、お好み焼きの種類が細かく記入されたメニューが貼ってある。「野菜肉入り」「野菜玉子入り」「野菜肉玉入り」「そば肉入り」「そばトリプル肉玉入り」などなど数十種類。しかし、そのメニューも朽ちてきていて、歴史の長さを感じさせる象徴へと変わってきている。店は狭く、狭い中で効率的に12ほどの席を作っている。うち鉄板は3席。
お好み焼きは、まず麺を鉄板にのせソースをかけてほぐす。そうして鉄板に生地を引き、削り節をたっぷりかけ、先ほどの麺を乗せる。で、麺の上からザックリ太めキャベツ、もやし、刻みネギ、肉を乗せ、ガーリックパウダーを振りかけ、最後につなぎの生地をかけて、ひっくり返す。
ひっくり返した後は、油を回しかけてしばらく焼く。ヘラで丁寧に形を整えながら、最後に軽く押さえて、玉子と合体。仕上げはソース、コショー、青のり、白ゴマ、紅しょうが。そばは袋麺。ソースはオタフク。
で、やっぱり肉玉うどんイカ天入りを注文。ここのトッピングって、イカ天以外にあるのかな。まぁ、あったとしても頼むことはないからどうでも良いか。
そうして、焼き始めたお好み焼きは、生地の上に麺を置くタイプ。そうそう、ここのお好み焼きはこうだったよね。古いスタイル。そのワリに、押し焼きはかなりの控えめ。ホント、店の数だけお好み焼きの種類があるよね。
お好み焼きは、キャベツが大きめに刻まれていて、その食感が残った焼き上がり。ボリュームがあるのは、やはり学生相手の商売だからかな。でも、キャベツのボリュームなので、そんなに腹にはたまらない。ダブルやトリプルの値段が安いから、本当に腹を満たしたい場合は、それを頼むべきだな。(2009.5)
小母ちゃんは鉄板に火をつける。ガス栓を開け、マッチをスッと擦る。あぁ、なんだか時代を感じるな。マッチで鉄板の火をつけるお好み焼き屋って、あとどのくらい残っているだろう。いや、意外とまだ沢山ありそうだ。
お好み焼きが焼き上がるまで、何の気なしにテレビを観る。ニュースでは、しきりに前田の引退試合を報じている。ボケッとそのままテレビを観ていると、少しアンニュイな気分になってきたので、焼き上がったお好み焼きを急いで食べ、そそくさと店を後にした。古いお店では、時間の流れが外よりもユックリになっている様な気がする。(2013.10)